mimiko

青春のプレリュードから始まる独りの男のノクターン
言葉足りずだったので、書きなおさせていただきます。

まず変わらず本作の『れん」の存在感は一級品です。甘いマスクと口八丁に騙されるのは、けしてヒロインだけではないはずです。
ですからその本当の正体を知ったときには、ぶっ飛んだ衝撃を与えられます。



そして謎の男ツヨシ。
緊張感と絶望の中、この男に惹かれた海晴の気持ちは、果たしてつり橋効果なのでしょうか? 


この後海晴を襲った悲劇と、それに誘発された激情は、ツヨシが誰であろうと、海晴の真実だと思われます。




そして測り知れない絶望の中、孤独に戦う窪田さんの強がりと脆さ、悲哀に溢れた眼差しは、どうしても惹かれずにはいられませんでした。

窪田さんが『人間でいることを止めた』と言わしめる過去は衝撃的すぎます。心臓が止まるかと思いました。

そして『人間の姿をした武器』と自虐的な分析をする窪田さん。
そんな彼を救うのは、他愛もない紙切れ一枚なのです。


荒々しい男の生き様の中に繊細なエピソードが光るすばらしい作品です。