さとみなおき

尊いもの
狼と鹿の心の交流を描いた物語。


幼くして母をなくした子鹿、アカ。


彼女は何故生き延びたのか。


そのわけを、老いた楡の木が語ります。


群の規律を乱し、自然界の掟さえも破って、牝鹿をかばった狼。


弱肉強食の世界に於けるその行動は、自らの立場を危うくし、命取りにもなりかねません。


美しさへの憧憬から始まった狼の想いは、
牝鹿の聡明と勇気を発見し、
彼女への敬意となりました。


それは愛というべきものかもしれません。


何も求めない彼らの愛は、崇高なものです。