ホームレス少女、咲の自殺を偶然未遂に終わらせた華帆は、助けた恩として彼女に生活のサポートを依頼する。しかし蓋を開けてみるとその実は、友達のように遊ぶばかり。なげやりに楽しむ道を選んだ咲は、気付いたら心から笑っていた。
思いもよらない、どうしようもない過去は無くならないけれど、今日も笑って生きて征く…

「人は花だよ」と、彼女は言っていた。

成長し、最期は儚く散りゆく様を「美しい」と形容する彼女は、どこか変わっていたのかもしれない。


瞳を閉じるだけで、見えなくてもそこにあるかのように、明瞭に瞼の裏に広がる。


ふたりのあしあと。