空に願ったあの夜に

作者

ただ、幸せになりたくて。

二人で夜空を眺めたあの日。



これは、夜空に願い続けた二人の物語。

「ねぇ、知ってる?」



『うん?』



「月ってね、愛情とか、感情の象徴なんだって。」



『ふーん。』



「それにね、星は希望とか光の象徴なんだよ。」



『…。それなら、夜空って幸せの象徴なんじゃないか?』



「ん?」



『‘愛情’の月があって、‘希望’の星がある。それって、すごく幸せだろ?』



「うん…。幸せだね。これ以上ないくらいの。」












そうやって君が切なそうに、でも嬉しそうに笑うから。


だから、どうしようもなく愛しく思うんだ。


あの‘夜空’のように幸せになりたいって願うんだ。