「僕は君が思っているようなモノとは違うよ」私が月の白く輝く夜に出会ったのは、「植物人間」である彼だった。「植物」なのに「人間」でもある彼に恋しては、いけない

 黒い空にぽっかりと穴が開いたように浮かぶのは真ん丸いお月様。



 憎らしげに、羨ましげに見上げていたのは君と僕の二人きり



 なんでかな、僕と君は全く違うのに。


 分かり合えるはずもないのに。



 不思議だね。

 

 君を見ているととても心が安らぐんだ。




 天から降りてきた天使なんじゃないかと思うほどに綺麗な男の子は、そういって薄く笑った。



 見るものをくらくらとさせる妖美な彼の微笑み。



 魅せられてはいけない。



 話してはいけない。


 


 分かっているのに、また私は彼の元へと来てしまう。


 lunar flower