幸福屋奇譚 ―露天商と歌う少女―

作者峰村尋

お互いに名前を知らないながらも惹かれあう二人。そこに『幸福屋』を名乗る男が現れ、運命の歯車が回り出す。
人と人とを結びつける、一風変わったファンタジー。

――こんな話を知ってるかい?

人生において、不幸と幸福は釣り合いがとれるようになっているという。

でも神様は多忙な上に気紛れらしくてね。上手く釣り合わせることの出来る人間は少ないんだ。

でもそれじゃあ、不幸なままの人は可哀想だろう?

だから僕たちは、そんな人達が幸福になれるようにお手伝いするのさ。

どうだい、君も。

幸せになってみる気はあるかな?