それはありがちな話で。
でも、どんな気持ちかは当人にしかわからない。
どうか、そっとしておいてほしい。
―――私の心をかき乱さないで。

×。



ばつ。



バツ。




その言葉は

現実感を与えない代わりに、

私に影をもたらす。


その言葉は

あまりにも重く、ぽっかり開いた心の穴に

鉛のように流れ込んできた。




「滑稽ですね」


「……。」



もう、恋なんてしない。

って決めた。


本気の恋は人生で一度きりでいいのに・・・。