嘘つきオオカミ

作者斎藤零

好きじゃない、好きじゃない、好きじゃない。だから、別に苦しくない。知ってる、分かってる、私が都合のいい女だったらいくらでも利用すればいい。
曖昧なリアルのお話し

酔わすだけ酔わして

    いつもふらりといなくなる。


求めれば離れるし

    避ければ捕まえにくる。



いつまでもきっとこの関係は変わらない。


私はあいつに囚われつづける。



それでいいと諦めているのに、

          ちくりと心が痛む。



まるであいつが私に与える痛みのように―――