きっと、私は誰よりも頑張った。
そう、私は頑張ったのだ。
派手な身なりに興味もなければ、
無駄に煩い音楽にも全くの関心がない。
ぺちゃくちゃと口を開けば自慢大会になる
形だけの友達なんてものも、皆無だ。
私は勉強一筋で生きて来た。
それは良い大学に入る為、良い就職に就く為。
脇目も振らずに誰よりも努力した。
そのための犠牲も惜しまなかった。
そして、その夢がようやく叶ったと思った。
そう、思ったのに――――
そう、信じていたけれど―――
「悠里ちゃん、ほらほら~もっと気楽に!」
「‥‥いい加減にしてください(クソ)副編集長」
「怒ったら、早く老けちゃうよ?」
「‥‥‥お前の所為だろうが(地獄に落ちろ)」
私は今、人生初めて路頭に迷っている。
((その優しい瞳は、私を見てはいなかった))
『NAU企画』参加作品
ジャンル:オフィスラブ
テーマ: 『午前三時のお茶会』