ここにいるから、泣かないで。

作者橘トマト

―触れられないけど、離れない―。事故に遭い意識不明だった恋人がもうひとりの私になった。

あたしは、彼に救われた。



彼はあたしに愛を教えてくれた。



その彼はあたしのせいで“こんなこと”になったのに。




どうして、まだあたしを助けてくれるの?



そこに、いてくれるの?




───彼は“あたし”になって、こう言った






ここにいるから、もう泣かないで。