二万年とも言われる超永に渉り、吸血鬼による絶対支配を受けたこの世界は、彼らの原因不明の衰退と共に、その終焉を告げた。
狂気の支配から解き放たれた人類は、徐々にその光を取り戻しつつも、生き残った吸血鬼の恐怖は、存在と記憶と共に未だに消えずにいた。
その闇と光の狭間に生を受けた種族がある。
ヴァンピール…またをディウォーカー(白昼に歩く吸血鬼との意味)と呼ばれ、人間と吸血鬼の混血である彼等は、その生まれたる宿業故か、果て無き哀しみと戦いの運命を常に背負っていた。
光と影、人間と吸血鬼、そして混血種。
魔の産物は闇夜に闊歩し、人身を狙う辺境世界。
陽光の輝く世界を取り戻した人間達…だが、黄昏から暁までの闇夜の刻は、未だ人間達の生きる世界では無かった。