自分が人間ではないと気づいた青年イリエ。妻を殺したのをきっかけに人間の世界と決別しようと村を出る。後に彼はドラキュラと名乗り、人間から迫害された魔女に出会う。

むかし、むかし。




まだ世界が広かった頃。




たくさんの戦争があった頃。




そして人間の世界と闇の世界が隣り合わせだった頃。




主は何故わたくしを見捨てたもうたか。




平穏に暮らしていたわたしにこんな仕打ちをなされたか。




何故ゆえ愛する者をわたしに殺傷せしめたるや。




ならばわたしも神を捨てよう。




この名を捨てよう。




人の世を捨てよう。




わたしは悠久の孤独を愛そう。




この世界で再び希望がうまれるまで。