闇の世界の中
人を殺める事を
強いられた少年は憧れた。
控え目で在りながら逞しく咲く、
名も知らぬ小さな白い花に。
光の世界の中
その少年と
幼馴染みの少女は魅せられた。
可憐で在りながら凛々しく咲く、
闇と光、各々の世界の中
彼らは願った。
たった1人で良い。
誰かにとっての心の支えに。
心に生き続ける様な存在に。
──そう、まるで
道端に咲く花の様に成れたら、と。
聞け、彼の心の叫びを。
聴け、彼女の心の声を。
-顔も見知らぬ貴方に伝えたい事が有る-