道端に咲く花の様に

作者遠山 彼方




の世界の中


人をめる事を

強いられた少年は憧れた。



控え目で在りながら逞しく咲く、

名も知らぬ小さな白い花に。





の世界の中


その少年

幼馴染みの少女は魅せられた。



可憐で在りながら凛々しく咲く、

名も知らぬ小さな白い花に。





、各々の世界の中


彼らは願った。



たった1人で良い。



誰かにとっての心の支えに。


心に生き続ける様な存在に。




──そう、まるで


道端に咲く花の様に成れたら、と。





聞け、の心の叫びを。


聴け、彼女の心の声を。






-顔も見知らぬ貴方に伝えたい事が有る-