温もりを追い求めて、私はいつまで立ち止まっているのだろう。指輪は、涙を吸ったように切なく、輝いている。
左手薬指に刻まれた―『結婚の予約』。
頭では理解しているのに、どうしても
心が悲鳴をあげて、外せないの。
涙を吸ったように、切なく、輝き続けるそれを、
私は愛おしげになぞった。