時は2076年
コンピュータが発達しきった社会では、
幼稚園から情報教育が始まる時代。
人は一つの大きな発明をした。
「分子再構築システム」(Molecule reconstruction system)。
略してMRSと呼ばれるものだ。
これは、物体を分子レベルまで分解し、それをネット回線で任意のコンピュータまで運び、
更にそれを再構築して吐き出すというものである。
これにより人々は運搬の手間を掛けずに済むことになった。
しかし、高度なシステムはその裏で影を生む。
MRSを悪用しての麻薬、武器類の取引が頻繁に行われるようになった。
一番問題となったのは、「兇器」の誕生である。
コンピュータ上で作り出した架空の「分子」を再構築して吐き出し、
それを保持して犯罪を行う犯罪者が誕生した。
彼らは「兇器保持者」と認識され、発見次第即抹殺の重犯罪者と認識され、
指名手配されている。
一部の人間を除いて。