そこには、私しかいなかった。

何も映さない、暗い穴の中。自分の存在以外、何があるかも分からない。

いや、こんな暗闇・・・自分の存在も、時々分からなくなる。

「なぜ、私はこんなところにいるの?」

その問いの答えは、分かっていた。


でも、私は一筋の光を見た。その光の先には、道があった。

私がいる空間は、深い穴じゃなかった。

私は道を進もうとした。・・・でも、進めない。

こんな汚れた人間が、光を求めていいわけがない・・・


そんな私の肩を、後ろから誰かがそっと抱いた。

振り向くとそこには、まぶしすぎる・・・笑顔があった。


「少しずつ・・・少しずつでいいから・・・」


そう言って、そっと手をとってくれた。



この道は・・・心の叫びで染めすぎている。

でも・・・それでも

いつか笑える日が来るなら・・・

本当に笑える日が来るなら・・・


それまでは・・・