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深い深い森の中。
その奥の奥にひそんでいたのは、
亡くなった父から譲り受けた、
大きく古い館。
そこで、私が出会ったのは、
一人の奇妙な男………。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
自らを、執事と名乗るその男は、
驚くほど美しい容姿を持っていた。
20才になったかならぬかの
その若者は、
年齢にふさわしからぬ、
怪しい経験の数の多さには、
どんな怪談師もかないやしない。
【ブラッディ(血まみれ)】
と言う名の、
若い執事は、
艶やかな唇から、
毎晩のように、
身の毛もよだつ暗黒のストーリーを、
さえずるように話し出すのだ。