明日香には幼い頃の記憶が無い。
正確には、ナくしてしまった。
最愛の、両親と共に。
赤いイロの液体、鈍色の光を放つ刃、紫の閃光--…。
月の無い夜になるとやってくる、無音の惨劇の夢。
覚えていないはずなのに、恐怖だけが纏わりつく。
この断片の中に、恐怖の中に、何かは分からないけれど、大切なモノを置いてきてしまった気がする。
…思い出したくない。
……想い出したくない!
でも………、オモイダサナケレバ、イケナイ…………。
※未完成です!
完成してからアップしたほうがいいんじゃないか、とご指摘を頂きました。
しかしアップした後だったため、忠告文を入れさせて頂き、章毎に公開させて頂く形を取りました。