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読みやすいけど離婚した両親からは一歩離れ、医者を志す青年。己の出生を知り、家出してきた血縁無き妹。記憶喪失で言葉も通じない異国(?)の少女カレン。それぞれの事情を抱えた三人が集まり、一種の疑似家族を形成します。読みやすい文体で、序盤の展開も読者の興味を引く誘引力を持っています。妹が去り、担当の患者に死なれ、いよいよカレンまでが去ろうとする時、初めて勇気を持つ主人公には泣けます。が、この作品。カレンの正体が○○(伏せ字)でなければいけない必然性があったのか、という根本的な疑問が(汗只の記憶喪失の少女で、何の問題もなく話が成立してしまう。というよりもそっちの方が流れ的に自然。クライマックスに来て、リアル系からいきなりファンタジーになってしまう唐突感を味わいました。作者の地力はあると思えるので、細かな点や全体の構成を見直し、次作品に生かしてもらいたい所です。