―――躯 は手に入っても
―――心 は手に入らなくて、
俺と交わる瞬間でさえ
あいつの名を呼ぶ残酷な君
俺と唇を重ねながらも
あいつを想い涙を流す
( 美しい、君 )
090919
- 最終更新日
- 2009/09/19
- 作品公開日
- 2009/09/18
- ページ数
- 完結 9ページ
- 文字数
- 2,785文字
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作品コメント
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- みふう
キレイ 短い作品ですが、 まるで長編を読んでいるような、 様々な想いを感じ取ることが出来ました。 描写がキレイで、 普通だったら嫌な女に映るミクも、 何だかやけに素敵な女性だなっと思ってしまいました。 他の作品も是非読んでみたいと思います。 これからも頑張ってください。
- NAO
痛々しいほどの渇望 『渇いている』 短いストーリーの中にも、常に強烈な渇きを感じさせられました。 主人公雅人の、多感な高校生らしい欲求と真っ直ぐに好きな人に向かう気持ち。熱すぎるほどの情熱。 自分より少し年上の彼女は、雅人の想いに対してどこか冷静で、一線を引いていたのではないでしょうか。 同じ温度になりたい。少しでも自分と同じくらい熱くなって欲しい。理性を失うほど求めて欲しい。 その純粋な渇望が彼女を壊れるほどに抱くという行為に繋がったと思います。 けれど、彼女は、どれだけ情熱的に抱かれても、やっぱり自分を失うことはなかった。 残酷なほどに、二人の間の温度差が露呈した場面がありました。 あの場面が、決定的な失恋であり、諦めを決意したきっかけだと思います。 一見すると、アバンチュールな浮気の話のように感じますが、そこには、思春期の男の子の貪欲な想いが巧みに描写されており、読み終わった時には、十代特有の焦燥感を味わわされました。
- 椎
アバンチュール "アバンチュール" 初めにどんな意味だろう?そう思わせる言葉から惹かれました。 内容は少し間違えれば在り来りになってしまうのに、切ない気持ちが最大限に表現されたベッドシーンやブレザーに付いた彼女の香水の匂い…そんな描写が在り来りにさせず、しっかりと一つの作品としての個性が出ていました。 上手いです。