清乃

「そしたら、あいつ笑って自殺した」
私の中で一番光ったこのセリフをレビュータイトルとさせていただいた。


実にシュール、
それでいてセンチメンタル。


短編ながら作者様のその感受性の瑞々しさは充分に伝わってきて、事実だけを述べたならばなんと暗く湿っぽい現実が、作者様、というフィルターを通すことでそれはセピア色と目に優しい空の淡い青さに姿を変え読者の心にしっとりと落ち着いてくる。


それと
個人的にはこの作者様は男の子を描くのがウマイと思った。
女の子が書く男の子ってどうしても理想に走ってしまいがちの現実的でないカタチが多いが、この作品に出てくる男の子達はきっとすぐそこに存在していると感じた。
良かったと思う。