―――日本
かつてこの国は非常が日常だった
娯楽と贅沢の禁止、配給制の食料と言語の制限
年端の行かない子供たちでさえ、労働の一端を担わされた
国のために死することが名誉であり、普通に生きていくことが困難だったその時代、この国はまだ大日本帝国だった
そんな時代の広島に、平成生まれの二人の現代っ子がタイムスリップする
彼らは突然放り込まれた過酷な時代に翻弄されながらも、元の時代に戻るため、力強く生き抜くことを決意する
そして迎えた昭和二十年八月六日
いつもと同じ青い空に輝いた閃光は、一瞬で広島の街と人々を焼き尽くした
便利な物に溢れ、豊かで平和な時代に生まれ育った少年と少女は、その惨劇を目の当たりにし、何を思うのだろうか
そして何を学ぶのだろうか……