淫靡で甘く切ない、そして禁断の香りを放つ物語。お嫌な方はお近付きにならないで下さい。
恋の炎は烈火の如く、もはや止める術なし。地獄の業火にも似た、身を焼き尽くす炎の先に待つものは天国なのか地獄なのか。人形はあまりに美しすぎた。青年の心を狂わす程に。人形の名は綸華(りんか)。
見えない世界、複雑に絡んでしまった縁(えにし)の物語。『幻想恋歌』三の歌、ここに再び始動――。
大学生・悠木深夜(ゆうき・しんや)はある日、叔父からアンティークショップの店番を頼まれる事に。そこで偶然、納戸で眠る美しい少女と出逢う。息を呑む程の完成された美貌に、一瞬で心奪われる深夜。しかし彼女は命を持たぬ物、魂を持たぬ生き人形だった。相手は人形であると理解しつつも、彼女の繊細な美貌に魅せられて、とうとう禁忌を。摩訶不思議で少し淫らな物語をアナタに。青年のこの想い、果たして悲恋か?それとも――。