水鏡~とある執事の一日~

作者漣 飛鳥

―緑に囲まれた西洋の屋敷。夏の頃も昼なお涼やかな風に包まれ鳥が囀り、夜には更に寝心地よい風がさらりと吹き満天の星空が天を染め上げる。

 此処には数人のメイドとお抱えの料理人や庭師が日中には常駐し、主に二人の人間が住んでいた。

 感情を表に出さず義務を重んじる長身の女執事と、外界に触れる事を恐れ心閉ざしてしまった令嬢。

 二人のとある一日は執事が茶を支度をする場面から始まる。―