mimiko

人なら変われる。何度だってやり直せる。そのきっかけをいつだって探しているのだ
また逢おうとタイトルづけられたこの作品。
物語は淡々と、日々と出来ごとを追って進んでいきます。


どこか欠けている登場人物たち。
修一くん、優也くん、そして奈々ちゃん。
彼らの隙間を埋めるのは互いで、満たすのは互い。
それを『幸福』と呼ぶのでしょうか?


偶然に与えられた幸運に喜び、いい方向に影響しあっていたことの、何が悪かったのか。

神様が彼らに与えた運命は苛酷。

お葬式シーンの修一くんの感情がリアルです。


ただ惜しむらくは、キャラクターの個性が文字だけの情報で与えられていて、生き生きと読み手に伝わってこなかったこと。

そして人間の変化を両親の言葉だけでなく、日常を鮮やかに切り取ることのできる筆者さまに、文章で見せて欲しかった、というところでしょうか。


互いに影響しあえる運命の相手に、私も出会ってみたいと思いました。