森本万葉

生きるために戦う
劣勢極める戦場で、代理隊長マルスが出会ったのはその場にそぐわない言動をする不思議な少年ローニャ。
年長者の助言により彼らは行動を共にすることとなるが……
悲痛な思いで戦争に挑む軍人マルスと、飄々としながら何かを含みのあるローニャの雰囲気の対比が絶妙でした。
31ページという短い中に、「黄金を纏う者」には見かけで判断してはいけないという教訓、「死」を名誉とする戦場における「生」に執着する者には真の強さなど、いろいろなメッセージを感じさせてくれる部分が盛り込まれていて、読みながら納得させられました。
また、エンディングにもローニャのその前後の様子を伺い知れるような部分があって最後まで楽しませてもらいました。
素敵な作品ありがとうございます。