先輩と僕のささやかな記念日
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日


俵万智さんの有名な短歌が火付け役になった記念日ブーム。今ではいったいどれほどのささやかな記念日が日本にあるのでしょうか。


この作品は、そんな記念日に起きるちょっとしたエピソードを描く、甘酸っぱい掌編集です。


髪をツインテールにした美人だけどかなり変わり者の‘先輩’、クールなキャラを演じようと背伸びしてる感のある語り手の‘僕’


不器用で天邪鬼で純情な二人の恋はけっこうもどかしくて、でもすごくほほえましくて、読みながら口元が緩んできます。