時は"開元の治"―。
あの科挙にたった一回で
受かり一ヵ月後に会試を控えるだけとなった
非常に珍しい官僚候補生がいた。
彼の名は白里、字を徳竜。
官僚といえば死ぬまで金と女には困らない。
しかし、彼の周りには女一人寄り付かない。
彼は寄ってくる女を片っ端から
言の刃でに攻撃し再起不能にし、
父親はそんな彼の女嫌いを知って
彼の望む女以外の者を 嫁にさせまいと
彼の好きにさせていた。
あんな醜い生き物など、
この世から消えてしまえばいいものを―。
そんな初春、親友の趙子猛が
家に訪れるということで
いつもの待ち合わせ場所の木の本に座り、
本を読んでいたときのことだった。
何時の間にか見たこともない衣を着た女が
彼の膝の上に座っていた。
彼女との出会いから彼の歯車は狂い始める。