世界で一番やさしい言葉

作者猫見モモ

さようなら、悲しまないでください。違う世界へ行ッてきます。


そう血で壁へ書き残し、彼女、井上蘭は一谷高校の屋上から飛び降りた。


人が引き払った夜。屋上で蘭に片想いしていた少年、寺崎陸介は浮世離れした"夢"と名乗る少女と出会う。そして彼女は、こう口にした。「ここで待ってたら蘭さんに逢えるかもよ?」と。陸は何故だかその言葉に心ひかれた。その日以来、閉校した後の学校で可笑しな二人の関係がはじまッた。


「あなたは何で生きてるの、死んでるのと生きてるのの違いッて何?」


「空は飛べるよ、要らないものは全部捨てて空気を沢山食べて軽くなって雲になる。」


「わからないことって沢山あるけど、わかることってあんまりないよね。」


蘭の飛び降りた屋上で二人は答えも無いまま語り合う。



青春爽やか系をめざしてみました💦⚡