短篇のサラダボールぞなもし。俗っぽい二酸化炭素を蠅叩きで懲らしめたつもりですが、不易でなかったらすみません。
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本編とは直接に関係のない、まァ架空の、譬え話をする。
「匿名弁当」を容器ごとたいらげた同期は、我が社の純利益の額と同じ分だけの金を某{なにがし}とかいう銀行から「拐{かどわ}かし」、札の番号を控えた。そして金を抱えてのこのこ銀行へ戻って、
「返すよ、謂わば“樹氷”だけ、な」
と吐{ぬ}かして、金の詰まった行李を置き、踵を返した。刹那、支店長に牛刀で斬られてしまった。
どうやら同期の脳内では、札に、とりもなおさず番号に、「名付け」終わっていたようである。
敢えて教訓を求めるとするならば、名と容器の舞踏は、常に「同様に確からし」くはないということだろうか。「あなた{・・・}の世界に於いては」まァ架空の、譬{たと}え話である。では本編へ。
(本編と云っても、場末の旅籠の、新旧入り乱れて散乱した干し柿つ蔕であるが)