ミルクティーの冷める頃。

作者瀬名千鶴

こんなに悲しい片想いを、僕は初めて知った。

きっと一目惚れだった。


綺麗な寝顔。


温度のない体。





あの日、ミルクティーが冷めた瞬間に出逢った君は、ただ切なさの塊。





愛を知らない君の瞳に、僕はどう映っていたんだろう。





抱きしめても響かない体。


それでも温度だけは確かに感じてた。





それだけでいいと思ってた。




ずっと一緒にいられると信じてた。


たとえ、君が存在する幻だとしても―――。









「私も心が欲しい……。」