自分勝手な親たちへ  

作者さくら

親はね

子供を捨てることが出来ても…


子供はね

親を捨てることなんか

できないんだよ

私は動けないでいた・・・




最後のお花を棺に入れる為花を手に持った




棺のそばまで行った時初めて涙で視界が曇っている事に気づいた




棺の中に何粒も何粒涙がこぼれて落ちた




動けない




動けない




残った花を手渡された




棺の中は花が溢れていた




棺の蓋を閉じ「最後にお嬢さん二人から花束をたむけてもらいます」と花束を渡された




姉と二人花束を両手に抱えたまま、足が動かなかった




歩く事が出来なかった




前が見えなかった




姉が私の肩を抱き私を押してくれた




止まらない涙がある事を知った



動けなくなる、頭が真っ白になってしまう悲しみがある事を知った



式場には『そばにいるよ』の曲がエレクトーンから静かに流れていた・・・






ある日我が家は崩壊した・・・



我が家が崩壊すると共に、私も壊れていった・・・