全ては満月の夜。あの契約からはじまったんだ――吸血鬼と少女の物語。
会いたい。
早く。
君に。
会いたいよ。
微睡みの中で私は一瞬あの人の姿を見た気がした。
-大丈夫。
彼の口の動きがそう言っている様な気がして、
私はそれだけで安心してまた深い眠りへといざなわれる。
そう。
彼だけは、
彼だけは私を…
『掟やぶりの契約』