神戸市会議員の自殺が発端で神戸市建設業者との不正取引を巡り事件が勃発する。大物政治家や闇の組織を相手に兵庫県警の観音寺警部が得意の剣道や手裏剣で事件を解決する。

 この物語は、神戸市が多くの市民の反対を押し切り、海を埋め立て神戸空港をつくり、国からの援助金や利権などで得た、莫大な裏金の埋蔵の話である。

 神戸市民は、関西空港や伊丹空港で十分に用を足していた。

 もともと、空港を利用する市民は一部だけで、新たに新設するには、需要の面を考えると存続が危ぶまれていた。空港建設には市民の反対運動も起きていた。

 しかし、当時の市長は強引にそれを突っぱねて、空港建設に着手し空港関連の外郭団体をつくり、市民の税金を垂れ流してきた。

 また、震災時に国、そして多くの市民団体や企業から、神戸市に寄付されたお金も、神戸市の外郭団体などに流用し、その際に得た莫大な裏取引のお金を、市長が密かに埋蔵していた。

 現在、空港の需要が少なく、存続が危惧されているが、誰も責任を問われない。  

 空港存続のため、市民の血税で不足分を補填する。こんな理不尽なことはない。