俺は絶望していた。
浪人一年目、
田舎を離れ、勉強のために越してきた都市で、無意義な毎日を送る俺。
予備校と仕送りのために、親の金を貪り、しかし勉学に励まない俺は、もはやニートよりもたちの悪いクズである。
ゆえに高校時代の友人はいまや皆、俺より立派な人間だ!
街を行き交う無数の人々も、きっとやはり俺より立派な人間に違いない!
だから、俺はおよそ俺以外の人間を羨望し嫉妬する。
羨望し嫉妬するけど、ヌルくてタルんだ毎日を愛しているから変われない。
いっそ消えてなくなってしまいたいとまま思うけれど、死ぬほどの根性もない。
この俺の醜さに、俺は憂鬱で仕方ないけど、醜くくない毎日を送るほどの根性がないから、今日も俺はやっぱり醜いクズ野郎。
そんな俺を救うべく突然現れた、名乗らぬ美少女。
しかもそいつは俺にしか見えないし触れないらしい。
笑えるぜ。