無気力少年と金髪少女

作者海里

彼女は綺麗で、強くて、優しかった。―――吉野。  名前を呼ばれるだけで、ひどく泣きそうになる。こんなにも、世界は澄んで見えるんだ。

出逢いは突然に、そして必然だったかのように。



「ねえ。君、つまんない顔してるね。」



彼女は、誰よりも優しかった。





「明日が来ることは、とても大きな奇跡だよ。」



君が教えてくれたことを、俺はきっと忘れない。