紅茶とショートケーキ

作者あんじゅ

現実に飽きてしまったお嬢様の豪徳寺りんは、ある日自分付きの執事の冬夜に命令を下す。「私を楽しませなさい――…」その言葉を合図に今日もまた刺激的なことが始まる―…




「1杯の紅茶の角砂糖3個よりも、


いちごと生クリームたっぷりの

ショートケーキよりも、


甘くておいしいの…、頂戴?」




「貴方様の仰せのままに。」





必ず私の思い通りになる、

そんな現実なんて、つまらないわ。






「ねえ、刺激が欲しいの…

何もかも忘れられる位の刺激が。


貴方は私を満足させられるかしら?」



「期待に添えられますよう、

私でよければお相手致します」





もう元には戻れないと

分かっていながら




また今日も始まりの合図が、


何かが壊れる音が、




聞こえた──






start * 2012.01.01

end * ?