清乃

空気
空気がなくなる日、なんてのを想像したことがあるだろうか?目に見えないものなのに当たり前に、当然に、私達人間は信じているしきっとそんなこと考えたこともないだろう。


杏樹にとっての葵も空気のように当たり前に傍にいる存在だったのに。

葵には葵の想いがあり……。


読者様をヤキモキさせページを捲る手を進めさせる「煽り」の描写はなかなかだと思う。一生懸命書いたのがとても伝わってきた。

ただ、時々色々な人の心理描写がごっちゃになっていて読みづらい面があったのは残念。顕著なのは以下。31ページでは杏樹語りなのが何の前触れもなくいきなり32ページでは桃果語り。52ページでは「あたし」語りだったのが53ページではこれまたいきなり「俺」がメインになっている。そして54ページではまた「あたし」。色々な目線から擁護したいのは分かるがこれでは混乱する。あくまでも主人公は杏樹なのだからここをブレさせてはいけない。ストーリーを考えるのがきっと一番楽しい作業だと思うが読者様のことも考えた作品づくりを今後の課題としていただければ幸い。