翼を知らなかった鳥

作者ゆき

何を思うでも

誰を想うでもなく


愛されることを知らず


ただ孤独に不安に

空虚に流れる毎日


毎分、毎時間、毎秒…


自分には不必要だった




…羽ばたきたい


小鳥のように愛されたい

力強く、自由に生きたい


心の奥に眠った

いまはまだ小さな蕾が


開花するときを待ち望んでいた


まだ知らなかった

あの空っぽの時間