めぐり飛空
深い心のすき間を埋めてくれる……。それがルームメイト
可南子は最近、彼氏と別れた。
妻子ある年上の男性。
忘れる為に酒に頼る毎日。
そんな絶望的な毎日の中で、癒してくれるのはルームメイトのナナコ。
優しいナナコが心の支えだった。
400ページを超える作品ですが、1ページが数行のためサクサク読めます。
もちろん、それだけではなく物語や雰囲気が完成されており、自然とページを捲ってしまう、捲らざるおえない、そんな深い魅力のある作品でした。
可奈子の過去、子供の頃の両親との関係。
そして、血の繋がった弟との禁断の関係。
それを主人公の独特な目線で綴られる文章は、繊細であり、個性的。
作者様の才能が光ります。
だんだんと明かされていくナナコの正体には息を呑みました。
ラスト。
可南子が選んだ道が正しいのか?と問われたら、きっと常識から見たら決して正しい道ではないと言われるでしょう。
でも、そうでなくては生きていない。
そんな心情も痛いほど解りました。
考えさせられる作品です。
個人的には、物凄く好きな作品でした。
オススメです。