ミセナイナミダ

作者小春 日和

見せてはいけない、涙がある。

「記憶を奪う」


ずっと、私はこの言葉に縛られて、苦しい中、生きてきた。


「僕には見せてよ」

ごめんなさい、先輩。


私だって


人間だ。


泣くことだってある。


でも、それは


偽物のナミダ。


本当のナミダを


人に見せることは





許されない――――――