本当の愛とか、真実の愛だとか、そういうものは大抵もの足りない現状を埋め合わせるための幻想なのだと思う。
満たされない心を埋めるように、それが何なのかもわからないのに口癖のように言う。
『本当の愛』
答えのない幻想。自己満足の愛。
でも、あの時の私にとっては一番大事なことだった。幻想だとか自己満足とかじゃなくて、本当に本当の愛を探していた。
人を本気で好きになったことすらなかったあの頃、私は本当の愛について悩んでいた。
これは、甘くて不思議な物語。
バレンタイン前日に出会った不思議なお店から物語は始まった……。