上條シオン

微妙…
主人公達が迷い込んだ先は『生きて帰る為には、誰かを殺さなければいけない』という掟がある別世界だった。

所謂、サバイバルホラーです。

一㌻辺りの文字数は少なく、手軽に読めるという携帯小説ならではの利点を生かし、すらすらと読めてとても良かったのですが、それ故にストーリー構成に中途半端感を感じました。

前半~中盤が長く感じられ、肝心のラスト部が宙ぶらりんに思えたので、前半~中盤の流れを全体的に切り詰めて、ラスト部の『謎の女』や『赤ん坊』、『お姉さん』のエピソードをもっと掘り下げて書いて欲しかったです。

しかし、ラスト50ページ切った辺りからのスピード感に溢れた展開は、とても面白かったです。
文章力もあって、読んでいて何だかこっちまで「痛い!」って思う所も随所に転がっていましたし。

使いどころは難しいですが、カタカナや擬音語などを用いたり、同じ言葉を何行も書き連ねたりして、もっとホラーらしさを出すとより怖さが引き立つかと思います。(結構淡々と読んじゃったので)

今後の期待も込めてのやや辛口感想です。