神様の視線

作者まりあ

「さよなら」から始まった私たちは、恋愛なんてしていなかった。


淋しさを埋めるため手を繋いだ。

体温に惹かれて抱き合った。

見つめ合ううちにキスをした。


誰も知らない。

私たちだけしか知らない、秘密。


秘密の期限が切れるまで、私は神様の視線に怯えた。

『誰にも知られなければ私たちの罪は存在しない』

私たちの約束を知る唯一知っている、その視線が怖かった。