誰もが彷徨い歩いていた。

誰にも気づかれることなく、ひっそりと…自分ひとりだけなのではないか、あやめてしまったのではないか…。


いろんな不安、恐怖を抱えながら誰もが歩いていた。

地球上に残っているのはいったい何人なのか。


たくさんの感情が渦巻く人間たちを、空に浮かぶ,

大きな、夜を明るく照らす月は見ていた。


たくさんのものを見下ろすかのように、じっと見据えていた。


ただただ、何の感情もなく、月は照らし、見ていた。


その人間たちが出会うときを。