夏陰/ニクソン
蠢く夏の陰祭りの夜、それは明るく楽しい夏の姿。けれども、一歩そこから外れると、生ぬるい湿気を含んだ不気味な夏陰に覆われる。丁寧に描かれているからか、後半は毒々しい濃密な闇に、自分も絡め取られてしまうような錯覚に襲われながら読み進めました。もう、心の壊れてしまった彼はきっと。これからも、アカリの重みを背負って生きてゆくのでしょう。夏陰、その濃密さを堪能いたしました。オススメの作品です。