なんだよ、えれえさみいじゃねえか。どこをどうぶった斬られたのかもうわかんねえくれえなますにされちまって、痛みなんざかんじもしねえが、ほれ、体中の血がドクドクと流れちまってほっときゃ半刻ももたねえでお迎えが来ちまうな。今襲われたら抵抗もクソもねえ、いとも簡単にやられちまうだろうよ。息をしてるのがてめえで信じられねえくれえだ。それにしても他のやつらはどうなっっちまったのかねえ。無事に済んでるやつなんかいやしいねえと思うが、生き残ってるやつぁ屯所に集まってるだろよ。

二本松での戦からわけもわからず目の前の官軍をかたっぱしからぶった斬って、無我夢中のうちにてめえがどのにいるのかもわからなくなっちまった。


だけどよお、いつからこうなっちまったのかなあ。立派な二本差しに憧れて勢いあまって浪士隊士組の募集に応じたのはいいけど、てめえの度量ってもんをこれっぽっちも考えてなかったからなあ。