蝶は 花に群がる――
男達は次々にこう言った
『僕の愛人にならない?』 -
「あらん、ありがと。
でも私その辺のお姉ちゃんとは違ってそんなに簡単な女じゃないわよ」
ポーカーフエイスに小悪魔的な笑みを乗せながら決まってそう答える。
大概の男は手に負えそうにないと肩をすくめるものの
この生意気加減が、
出来る大人の男たちにとっては面白いらしい。
華やかな面々に囲まれて いつも笑っていた。
そう、彼女は 花。
何十億円持っているか分からない大金持ちの男が言った、
『お前の為なら 幾らだって使ってやる』
「欲しい物なら自分で働いて買うからいらないわ。
それなら私を、新地で一番の女にして」
男は彼女に百坪の店を与えた。
彼女は新地一高級店の、ママになった。 -
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「先月他界した友人に捧ぐ。」
実話を元にしています