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今、この瞬間にも、「死」と戦っている人がいるという事実。ごく平凡な女子高生・深雪は、ある朝、ひどい貧血に襲われた。両親と、深雪の兄・康司は、そんな深雪を連れて病院に行くが、血液検査の結果、深雪が白血病に侵されていることを知る。自分は死ぬかもしれない、そうなれば最愛の恋人・良介を悲しませてしまう――そう思った深雪は、良介に嘘をついて別れを告げるのだが――白血病と戦う少女、そして彼女をとりまく人々の心模様を描くヒューマン・ドラマ。深雪、康司、良介の3人の視点を軸に、深雪を見守る親友の優子と、妹を白血病で亡くした仁美を加えて、それぞれが悩み、苦しみ、その中で懸命に勇気をつかもうとする姿が、とても丁寧な筆致で克明に描かれています。少しだけ、私事を語らせて頂きます。私自身も、数年前に同僚を白血病で失いました。子供が生まれたばかりで、これからは父親としてバリバリ働かなきゃ、と笑って語り合った矢先の出来事でした。苦しんだ末の、歪んだ死顔が今も忘れられません。今、こうしている瞬間にも、どこかで誰かが「生きるために」戦っている。そしてそれは、決して他人事ではないという事実。この作品を通じて、あなたは何を感じますか?