清乃

「私のこと、アナタはどれくらい好き?」
愛の重さ、愛の大きさ、
どう表せばいい?
センチやキロみたいに単位でもあれば楽なのに。

ミュージシャンのごとく甘い言葉を降らせればいい?
夜景のきれいな高級レストランの一等席を予約すればいい?
それとも指輪? 洋服はどうかな? 車? ブランドもののバッグ?
世界の中心で愛を叫べば信じてくれる?
都会のビルの電光掲示板に君の名前とアイシテル、はどう?


彼は
いっぱいいっぱい考えたと思う。
彼女が好きだから。
だけど自分は彼女ではないから結局分からなかった。分からないから最後は自分のしたいことをした。
世間的にそれは「犯罪」として警察に捕まった。
けれど私は思うのだ。


彼女はきっと最後には喜んでいると。
彼の一世一代の愛情表現に。


現実に十分あり得ることだけに実にリアルな物語であった。